難所1の1:テンポの一貫性~メトロノームの正しい(?)使い方

現在取組中のシベリウス「ワルツOp.24-5」で、私にとって難しいと感じられる箇所は下図のとおり。

今回は、この中の『難所1』のうちの1つ、

テンポの一貫性

についてまとめます。

<課題1>テンポの一貫性

曲を仕上げる段階では、「自分が最も弾きやすく心地よいテンポ」にすると曲が生き生きとするのですが、練習段階で「自分の好きなように」「自由に」弾いてしまうと危険です。弾きにくい箇所は遅くなったり、苦手意識のある箇所はごまかそうとして早くなったりして、曲全体として捉えた場合、テンポが崩れてしまいがちです。そこで取り入れるべきは「メトロノームによるテンポ習得練習」です。

ー(対策)メトロノームを使って、最初から最後まで弾ききる。

  まずはゆっくりめから。途中でミスしても転んでも、とにかく一貫したテンポで最後まで弾く。だいたい弾けるようになったと感じられたら、テンポを上げて同じように練習する。できるようになったらさらにテンポを上げる。何パターンか試したら、今度はテンポを下げて(ゆっくりにして)練習する。

ー(コツ)数値に合わせるのが目的ではない。テンポは上げたり下げたり自在に

  この練習は、どんな速さでも曲全体でテンポの一貫性を保てるようにするのが狙い。例えば、「この曲はアレグロだから ♩=132 で弾けるようにする!」という考え方とは全く違います。

練習のコツは

・「テンポは上げたり下げたり」すること。

 私は、まずゆっくり、少しテンポアップ、もっとテンポアップ、もっとテンポアップ と4段階くらい「ゆっくり → はやく」を練習します。4段階目にたどりついたら、あとは日によってランダムなテンポ設定で練習しています。上げっぱなしではなく、下げることも忘れずに。

・「メトロノーム依存症」にならないこと。

 これは先生から教わったのですが、5回メトロノーム合わせをしたら、1回はなしで自由に弾く。メトロノームは「数値に合わせるため」ではなく「自分の中に一貫性を定着させるため」に使います。自分の中でしっかりテンポの軸が築けたら、「溜め」などもうまく使えるようになります。テンポの軸ができていない状態で、演奏効果を狙って「溜め」などを入れると、そのあとテンポが崩れておかしな仕上がりに。


このシベリウスのワルツは、VIvace なので、速いテンポが似合います。

私の完成イメージは ♩=170~180くらいで考えていますが、このメトロノーム練習では、♩=130から始めて10刻みで上げていき、♩=170まで合わせました。一通り、テンポを上げていく練習は終わったので、今は日によって♩=150にしたり♩=140にしたりでやっています。

この練習をしたことで、自分の中で「速い箇所」「遅い箇所」がわかりました。どのテンポで弾いても、急ぎ気味な小節は急ぐし、トロい小節はトロくなるんですよね。実態がわかれば、「急ぎ気味な箇所」は「ゆっくり」と弾き、「トロい箇所」は「軽快にテンポ良く」を心がけて弾くようにしています。

まだ仕上がってはいませんが、この練習をする前より明らかに自分の中で「一貫性」が保てるようになったと思います。



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