即興曲Op.5-6(シベリウス)
今月に入って新しく始めた曲は、
シベリウスの 即興曲Op.5-6 です。
以前、Op.5-5 に興味を持った時に楽譜(Op.5全曲集)を入手していたのですが、そのまま本棚の肥やしになっていたものを引っ張り出してきました^^;
即興曲 Op.5-6 の特徴
- ホ長調で始まり、ホ短調で終わる
- 4分の6拍子
- テンポは Comodo (気楽に → 自由だなぁ・・・)
2ページの楽譜で、前半1ページがホ長調、後半1ページがホ短調。わかりやすくてシンプルです。
先生に伺ったのですが、4分の6拍子は「複合2拍子」とも捉えられるとのことで、この曲はなんとなく「2」が設計の根底にあるように思います。
2という数を「2極」「対極」と捉えることもできますが、この曲の2はそういう雰囲気ではありません。前半のホ長調とホ短調、表と裏、白と黒のような強い対比ではないように思います。
私が感じるのは、前半のホ長調は春。
弾いていると「春の海、ひねもすのたりのたりかな」という句が浮かんできます。暖かい昼間の日差し、花が咲いて蝶が飛び交っている中でワンコが日向ぼっこをしながらウトウト・・・・ そんな情景。
かたや後半のホ短調は「初冬」。
秋ほど色づいていないし、もう紅葉は散っている感じがしますが、厳寒の真冬という感じでもない。落ち葉がなくなって街から色彩が消え、雪がチラホラ降ってきてこれから寒い冬を迎える季節・・・ そんな情景。
こんな風に、2つの調が対極ではなくもう少し緩い対比で描かれているように思えるのです。直線でキッパリ分かれたのではなく、曲線でやわらかく分かれたというか。
即興曲ですが、なんとなく情緒的なメロディのある曲です。
テクニック的にはあまり難しくないので、今回の目標は
- 柔らかい腕の使い方
- 小指側の強化
- 旋律と内声の弾き分け
- オクターブで紡ぐメロディの音の作り方(小指側をきれいに出したい)
- pp と ppp の音の作り方
- 全体の雰囲気作り
などの修得です。
たくさんあります^^
だから燃えますv^^v
ちなみに即興曲と名の付く曲を練習するのは初めてです。
内声のある曲をちゃんと意識して練習するのも初めてかもしれない。
今朝の練習風景。
譜読みが終わって、さあこれから、です。
途中で間違えてますが、ここからスタートということで記念に貼り付け。
ppの音、出せてないところもありますが、これからこれから。
去年までは、この程度弾けたらもう終わって次の曲に進んでいたように思います。
そうやって進むのも、色々な曲が体験できてまた良いのですが、3年目の今年は去年より1曲を丁寧に弾き込んでいくように自然と変化してきました。私も成長してきたということでしょうか。
シベリウス続きですが(笑)、シベリウスのピアノ曲、好きなんです。
情報によると、シベリウスは交響曲が本職で、ピアノ曲はあくまでアルバイト的(日銭を稼ぐため)に軽くつくったものが多いともいわれています。それがどこまで本当かはわかりませんが、シベリウスのピアノ曲は素朴でかわいらしいものが多いように思います。それほど華やかでもきらびやかでもないし、技巧的にもそれほど超絶的なものは含まれておらず、結構シンプルなものが多いけれど何か心をひきつけてやまないものがあります。
あまり都会的ではなく、どちらかというと牧歌的な感じだからでしょうか。私はもともと地方の出身なので、シベリウスの中にある素朴でのどかな部分に共感を覚えているのかもしれません。
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