1994年

悲愴に関する情報収集をしていたら、こんな動画を見つけました。

1994年に放送されたNHK趣味百科「ベートーベンを弾く」という番組。

講師はゲルハルト・オピッツ。

動画のあらゆる場面から時代を感じますが、ベートーベンからみれば1994年も2016年も同じようなものでしょう(笑)。

レッスンの内容も興味深いのですが、受講者の野村さんが同世代だな~というところにツボがありまして、あれこれと考えを巡らせました。

というのも、この時代、まだインターネットどころか携帯電話も出回っていない(大学の教授がショルダーバックのようなごつい携帯電話を持っていて「けったいな人だな~」と遠巻きに眺めていた)状況でした。そんなときにドイツに留学してドイツ語でピアノを学ぶってすごいなぁ・・・と。英語圏じゃなくてドイツ語ですよ。イッヒリーベ、げべーぜん、ゲガンゲン、ドッホ(以上、すべて大学の第二外国語として学んだドイツ語の記憶のかけら。音のインパクトが強烈すぎてすべて意味は覚えていない)とかの世界でですよ。一人で飛び込む勇気がすごいと感服。いや、もしかして超お金持ちで通訳兼身の回りのお世話係の人でもいたのかしら、とか私の想像力がふくらみすぎて収拾付かず(笑)。いずれにせよ、私はそこまで度胸がないので「度胸」に憧れてしまいました。

そういえば今年、久しぶりに会社の同期にあって色々な話をしていたら、会社をやめて渡米し大学に研究室を持った人やら、結婚してサンフランシスコに住んでいたが事情により帰国してアレコレな人とか、40年も生きていれば女の人生いろいろだね~という話題で盛り上がったのでした。

昭和生まれ昭和育ちの女子でも、みんなあちこち羽ばたいてエネルギッシュに生きてるんですね~。

「私ももっと元気にはじけてあれこれやってもよかったかな~」とポロリとこぼした私に、「いや、あなたも十分はじけてるから」と同期(会社を一度も辞めず今は管理職)のコメント。

悲愴の勉強をしていたはずが、いつの間にか大きく脱線してしまいました。


ちなみにこのオピッツさん、今年買った雑誌の対談コーナーで「俺と同世代のオピッツってやつがいるんだけどすごいんだよ(とにかく何でも弾けちゃうという)」と会話の中に出てきていました。


面白い。




楽しく続ける大人のピアノ

楽しみながら憧れの曲に近づいていくために