ミスタッチを恐れるな
非常に興味深くて参考になった本。
おすすめです。
サブタイトルの
「伸び悩みの壁を越え、演奏に生命力を取り戻す」
という言葉に惹かれて購入しました。
自分一人でも試してみたいと思う練習のやり方や、
他の人とも一緒に試してみたいな、と思うワークショップの方法など興味深い内容が盛りだくさんでした。
今回は印象的だった内容を1つだけ紹介します。
人前で演奏する(Youtubeなどで演奏の動画をアップすることも同じです)という行動は、あなたにとって何を意味するでしょうか。
緊張をして、普段の自分の演奏ができない・・・
私も「割り切っている」といいつつ、昨日のソナチネの演奏動画を撮影するのにも「カチコチ」になってしまいました。「ミスをしないように」や「ここはフォルテ」「ここはフォルテッシモ」などと「ちゃんとして」見えるように心(または頭?)の中であれこれ考えてなんとか最後まで弾ききった・・・
なんとかミスも少なく撮影終了しましたが、違和感がモリモリでガッカリしてしまいます。
でも、まぁ自分はこんなもんだろうという理由を自分に言い聞かせ、寝て忘れましょう、という流れ。そしてそれが繰り返される・・・
自分の実力が足りないから、もっともっと練習すればいい?
もっと人に好かれてワーキャーいってもらえるような演奏ができるように、先生や他の人の演奏を参考にしてマネできるところはとりいれればいい?
な~んて方向に思考を持っていくのはカッコ悪い!
自分の演奏を、人に見せて聴かせて「どう思われるか」を意識していると萎縮の道。
ピアノ、そして音楽の真髄は、そんな自我を超越したところで感じられるのではないか、とこの本に書いてありました。
「みなさんは私(の演奏)をどう思いますか??」
ではなく
「これを皆さんと共有させてください」という広い気持ちになって、
「今この瞬間、これは私たちみんなにとってなにを意味するのか?」を感じてみる。
なるほど。
そんな気持ちで演奏ができたら、もっと何かが見えてくる気がします。
ちなみにこの本、「ミスタッチ気にせずむちゃくちゃに弾きなさい」という話ではありません。
「素直・正直なミス」と「不注意なミス」は別物として扱われていて、
「素直・正直なミス」は得るものが多いが「不注意なミス」は推奨していません。
不注意なミスには罪悪感を抱きなさい、と^^
この本は、ブレイクスルーのきっかけになりえる有益なものだと思います。
私もこれから少しずつ試していきますが、ブレイクスルーしたい他のピアニストさんにも読んでもらえたらいいんじゃないかなと思います。
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