どう弾きたいの?

今の先生によく言われるのが、
「どう弾きたいの?」
という質問と、
「もっともっと自分を出していいんですよ♪」
というお言葉。

そういわれて、ハッと気づきました。

私は、楽譜をみてなんとか弾こうと頑張っていたのですが、その頑張りの鉾先は一体どこ?


何に向かって、何をしたくてこの曲を弾いているのか。
実はそれをあまり深く考えていませんでした。

なんとなく好きな曲だから、とか、
これが弾けたらカッコいいから、とか、
この曲が弾けたから、次はレベル的にこの曲かな、とか。

…。

そして、その曲が弾けるようになるとは、どういう状態なのでしょう?

子供時代のレッスンで染みついた感覚でしょうか。

教室で先生にマルをもらうために練習をしているんです。

それも悪くないかもしれません。
教科書的、一般的なセンスで「よし」とされているゴールに向かっていくのですから。

でも、それはなんだか計算や漢字のドリルをクリアしていくのに似ていると感じるのは私だけでしょうか。

そもそも、大人の自分が今ピアノを弾いている理由は、音大受験でもコンクールで賞をとるためでもない。

先の記事で紹介した、ニーチェやサルトルのように、ピアノを弾いて思索を深めることもできるだろうし、季節の冬と夏を楽しむかのように、論理で固められた仕事の世界とは真逆の「感性の世界」に浸るのを楽しみとするのもよし。

もっと「自分のこうしたい♪」を出してもいいんじゃないかな。
というか、出すべき、なのかもしれません。
いや、出す のではなく、持つ ところから。

所詮、人は自分の好きなように物事を見て、好きなように物事を聞く。

世界は70億人それぞれの偏見で構成されている(笑)。


ピアノについても、「ひとりよがり」ではカッコ悪いという見方も意識のどこかにひっかかってはいるけれど、大人の趣味のピアニストさん(私も含む)への提言。

もっと自由に。もっとこうしたいを持って。


それが出来ると、自分でゴールを決められます。
同じ曲でも、ゴールは人それぞれ。
画一化しなくてもいいといえる懐が、音楽にはあると思います。


【モチベーションを上げるクエスチョン】

今練習している曲。自分の思いを表に出してみよう。

「その曲をどう弾きたい?」

 どんなイメージ? どんな音? どんな香り? どんな色? どんな顏?

 その曲で奏でる音は、どこに(何に)向かっている?

 その曲を人や風景や物に例えると? 

 その曲を「熟語」で表すと?

 キャッチフレーズは?

 弾き終わった瞬間、自分はどんな状態(気持ち、姿 etc)でいたい?


 


楽しく続ける大人のピアノ

楽しみながら憧れの曲に近づいていくために